ストレイト・アウタ・コンプトン

今年の映画館初めは『ストレイト・アウタ・コンプトン』でした。ギャングスタ・ラップの始祖N.W.A.を扱ったノンフィクション。劇場はサブカルっぽい人とヒップホップっぽい人が半々という感じ。

出来事を順番に描いていくだけなのだが、なにせ事実がドラマチックだから普通に面白い。金絡みのいざこざで散り散りになったメンバーたちがやっと和解し、再結成間際というところでリーダーのイージー・Eがエイズで死去とか出来すぎてるでしょ……。自分のようなヒップホップ初心者にも薦められるし、詳しい人も映画として改めて楽しめるのでは。名前くらいは知ってた程度の人物たちも、キャラクターとして頭に焼き付いた。

特にグッときたのは、警察監視の中 ”Fuck The Police” を演るシーン。「ファックザポーリス!!」と連呼するコーラス部に入るまでの緊張感がたまらない。

事項を詰め込んでいるので、端折られて事実関係がよくわからなくなっている部分もある(なぜドクター・ドレ―は最後にデス・ロウから独立したのかとか。その辺はWikipedia参照)。だがそれでもN.W.A.に対する社会の反応とかは最小限にとどめて、カリフォルニアの片隅から出てきたメンバーたちが欲望渦巻く音楽ビジネスの世界に巻き込まれていくさまに焦点を当てているから十分か。