海街diary

 映画観たの去年の暮れだけど、最近吉田秋生の原作マンガ3〜6巻を読んだので。
 感想を一言で言うと、ちょっと綺麗にしすぎ。5巻くらいまでの内容を、特に「死者と遺された者たち」みたいなエピソードをまとめて編集した構成は良かった。それを考えると、サッカー部のエピソードをほとんど削り、風太をただのイケメンにしてしまったのも英断だと思う。
 ただ、映像として美しく撮りすぎて、原作の綺麗じゃない現実を描いてるところと、それをあっさりと流すギャグとの絶妙なバランスがなくなってしまったかなと。
 この前同じく吉田秋生原作の映画『桜の園』について検索していたら、「映画が好きで原作を読んだが、女性的な自意識が紛れ込んでいて、映画とは別物だとわかった」というような感想があった。あまり男女論に終始してもアレだが、僕の『海街diary』に対する感想はまさにこれと同じ(逆?)で、男性が映像化したことで良い意味でのノイズが削がれてしまったのかもしれない。特に最近女性マンガの地に足がついたロマンティックさみたいなのが好きなので。
 そうそう、原作2巻にもこういう台詞があった。
「そういうロマンティックなことを考えるのはたいてい男だから」



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このキャラ(左)に大竹しのぶがハマり役すぎてビビる。